2025年4月01日

令和7年度より高齢者の帯状疱疹ワクチン定期接種が開始されました。
そこで今回は、日々のニュースなどでも取り上げられることが多くなった帯状疱疹についてわかりやすくまとめてお伝えします。
帯状疱疹はワクチンによる高い予防効果を認めています。今年度の定期接種の対象でない方も50歳以上であれば任意接種をご検討ください。
<帯状疱疹の原因>
水ぼうそうウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が原因で起こります。
子供のころにかかった水ぼうそうが治った後もウイルスは体内(知覚神経節)に潜伏し、加齢や疲労、ストレス等で免疫力が低下するとウイルスが再び活動をはじめ発症します。
50歳以上で発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症します。

<帯状疱疹の症状>
はじめは体の左右どちらかのチクチクした痛みやかゆみとして発症するとされています。
その後数日で赤い発疹や水ぶくれが現れ、強い痛みを感じるようになります。
神経支配領域に沿って帯状に症状が出現するため「帯状疱疹」と呼ばれます。
皮膚の症状は2~4週間で改善しますが、皮疹が消失した後も残る痛みを帯状疱疹後神経痛と呼び、50歳以上の患者の5人に1人に認められます。
帯状疱疹は出現する部位によりさまざまな合併症につながることがあり、特に顔面に出現する帯状疱疹は注意が必要です。
<帯状疱疹の治療>
できる限り早期に抗ウイルス薬(アメナリーフ®、バルトレックス®など)を投与することで症状の重症化を防ぐことが出来ます。
痛みに対する治療は生活の質を低下させないために重要で、発症直後はアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(ロキソニン®など)を、慢性化した痛みには神経障害性疼痛治療薬(リリカ®など)を併用していきます。
<最後に>
帯状疱疹は早期発見・早期治療が重症化予防のために重要です。
またワクチンによる予防も非常に効果的です。
何かご不明な点や、質問等ありましたらいつでもご相談ください。
ほり内科外科クリニック
院長 堀晋一朗