2025年3月15日

春は健康診断を受けられる方が多い季節です。
私が自治体や企業の健康診断に従事していた時に感じたことのひとつが、高血圧を指摘されても放置している人が非常に多いということでした。
理由は様々あると思います。話を聞いてみると、
「別に症状はないから・・・」
「ダイエットすれば下がるはずだから・・・」
「薬は飲みたくないから・・・」
などの理由で受診をしていない意見が多かったです。

高血圧などの生活習慣病はすぐには症状があらわれませんが、進行すると重篤な心疾患・脳血管疾患・腎機能障害・代謝異常に発展するため早い段階での対処が求められます。
高血圧の診断や治療効果判定においては診察室での血圧よりも家庭で計測した血圧の方がより重要視されますので、当院ではまず家庭で正しく血圧を測ることをお願いしています。
そこで今回は家庭での正しい血圧測定の方法を「高血圧治療ガイドライン2019」「Target:BP」などから抜粋してお伝えいたします。可能な限りおなじ条件で測定できるよう頑張ってみましょう。
☆測定するタイミング☆
・朝と夕、1日2回測定
朝…起床後1時間以内、朝食前、朝の内服前
夕…寝る前
・それぞれ2回ずつ測定
☆測定の方法☆
・測定30分前から運動・飲酒・喫煙・カフェイン摂取を避ける
・トイレを済ませ、背もたれのある椅子に足を組まずに座る
・会話せずに1~2分安静にする
・心臓の高さの台に腕を置き、上腕式の血圧計で測定する
・測定中の会話は避ける
7日間の家庭血圧の平均値で、上の血圧(収縮期血圧)が135mmHg以上または下の血圧(拡張期血圧)が85mmHg以上であれば高血圧症と診断されます。
ここで注意しなければならないのは、正常血圧は上の血圧が115mmHg未満かつ下の血圧が75mmHg未満の場合のみであり、そのあいだの数値の人は血圧が上がるにつれ脳心血管病の発病率が高くなるとわかっていることです。高血圧症でなくとも、正常血圧を上回っていれば注意が必要ということになります。

高血圧症の方はもちろん、高血圧症と診断される数値でない方も、正しい方法で日々の血圧を測定し、健康状態を管理していきましょう。
当院では家庭血圧の記録用に「毎日の血圧日記」をお渡ししています。高血圧症でない方もご希望があればお声かけください。
ほり内科外科クリニック
院長 堀 晋一朗